今や日本の文化を語る上で欠かせなくなってきている漫画。その中でもスポーツを題材にしている漫画は非常に多く週刊誌をみればほぼ必ずスポーツを題材にした漫画は連載されていると言っても過言ではないほど、スポーツ×漫画は漫画を語る上で欠かせないものになってきています。

中でもサッカーを題材にした漫画は非常に多く、その総数は100を超えています。

しかし、サッカー漫画と一括りにしても様々な種類があり、実際どの漫画を読み始めればいいのか迷ってしまいます。

そこで今回はサッカー好きが挙って賞賛するサッカー漫画を3作品紹介します。

サッカー好きがおすすめする本当に面白いサッカー漫画3選

ANGEL VOICE 作者 古谷野孝雄 出版社 秋田書店

■おすすめポイント!不良漫画からは想像もできない結末は涙を誘われます

この漫画は週刊少年チャンピオンにて2007年から2014年まで連載された作品です。全40巻

内容は一言で表すと、不良×サッカー。野球漫画のルーキーズのサッカーバージョンというと非常に伝わりやすい作品です。

物語の序盤は不良たちがサッカー部に集まり、不良らしく喧嘩も重ねながらサッカー選手として成長していく王道ストーリーです。

ただ、この作品を語る上で欠かせないもの、それがこの作品のタイトルにもなっている『ANGEL VOICE』天使の歌声。です。その声の持ち主はサッカー部のマネージャー。不良たちが喧嘩をはじめても彼女が歌い始めれば、喧嘩が収まる不思議な歌声。彼女の声なしでは不良たちの成功は無かったのではないか。そう言っても過言ではありません。

しかし、不良たちは物語の途中で彼女の歌声を聴くことができなくなってしまいました。一体彼女の身に何があったのか?そして、自分たちの為にサッカーをしていた彼らが、マネージャーの為に勝利を届ける。その思いを胸に彼らは戦い続けます。

不良×サッカーのスタイルからは想像もできない結末は、必ずあなたの心を揺さぶるはずです。

またこの作品は簡単に勝てないというところも一つの魅力です。喧嘩に明け暮れていた彼らにとって、敗北は許されがたい事だからこそ、敗戦からの成長もこの作品の魅力の一つになっています。

DAYS 作者 安田剛士  出版 講談社

■おすすめポイント!才能に恵まれない等身大の主人公に感情移入すること間違いなし!

この漫画は週刊マガジンで2013年より現在も連載中です。2015年第40回講談社漫画賞・少年部門を受賞しています。

この作品は初心者×サッカーというスポーツ漫画では王道な主人公が初心者という作品です。しかし、多くの漫画では、実は才能があった!実は親がスーパースターだった!という展開が多い中、この主人公はいつまでたっても下手。運動神経0。

そんな彼がサッカー天才少年と偶然出会い、サッカーの魅力に引き込まれていく。そんな漫画です。スポーツ漫画とは、必殺技や現実ではできないことを疑似体験させてくれる良さもありつつ、現実離れするものもありますが、この主人公はTHE普通!むしろ、自分の方が才能あるんじゃない?と思わせてくれる主人公です。

でも、サッカーの才能はなくても、彼は唯一才能を持っていました。それは頑張ること。中学時代友達のいなかった彼にとって、サッカーができる・できないよりも、仲間と共有する時間こそ欲しいものでした。

シュートは下手。パスも下手。ドリブルも下手。リフティングもできない。でも頑張ることはできる。声を出すことはできる。その彼の姿は徐々に周りの部員に伝染していき、彼は遂に高校サッカー憧れの舞台に立ちます。

そして、次の対戦相手は…なんと!作者安田剛士先生の前回作!『振り向くな君は』の主人公たち!なんと安田先生の作品の主人公同士が、このDAYSという漫画の中で戦うという今までにないストーリーです!!

前作は泣く泣く打ち切りになっていたものの、作品を超えた戦いが今始ります!

週刊マガジンではその試合の前が描かれていますので、その前回作と合わせて読んでみてください!

アオアシ 作者 小林有吾 出版社 小学館

■おすすめポイント!舞台はプロユース!スポ根ではないリアルなサッカーがここに!

この漫画は2015年から連載されており、現在も連載中の作品です。

2017年にはマンガ大賞で第4位に輝いている、今注目の作品です。

これまでのサッカー漫画には“部活”が題材にされる作品が多かった中、アオアシは“クラブユース”つまりプロチームの下部組織が舞台になっています。

各選手の目標は全国大会優勝ではなくプロサッカー選手になること。つまりチームではなく、チーム内での個人の戦いが非常にピックアップされます。そのため、1人1人の選手が細かく描写されており、どの選手が主人公になってもおかしくないほどの個性が表現されています。

スポーツ漫画でありがちな根性論・頑張れば報われる!という描写はほとんどなく、局面を打開するのは高度な戦術に裏付けられた理由がはっきりとしています。

中には指導者自身の葛藤も描かれており、サッカー初心者が読むというよりも、学生時代サッカーに明け暮れていた大人たちが当時の戦術やサッカー観を思い出されるような作品になっています。

そのこれまでにないサッカーマンガの新機軸となったアオアシは9巻発売時には100万部を超え、更に14巻では200万部を超える大ヒットとなっています。

多くのサッカーマンガの主人公はFWや司令塔のようなポジションが多い中で、このマンガの主人公のポジションはサイドバック。地味に見られがちなこのポジションを主人公がしている点も、作者のサッカー観が表れています。

これまでのサッカーマンガは必殺技など現実離れしたマンガが多く、そこに対してあまり良い印象を持っていなかった読者層も、このマンガのリアリティには納得すること間違いなしです!

サッカーマンガの金字塔:キャプテン翼との比較

サッカー漫画といえば、キャプテン翼をイメージする方が多いと思います。世界中のサッカーファンに影響を与え、今なお世界で活躍するサッカー選手たちが愛してやまないキャプテン翼。連載開始は1981年。当時は日本はW杯に出たこともなく、サッカー文化は根付いていませんでした。

実は作者の高橋陽一さんもサッカー経験はなく、元々野球をはじめ様々なスポーツをしてしました。そんな高橋さんがサッカーを題材にした理由は、既にスポーツ漫画の王道になっていた野球ではなく、他の人がやらないもの。としてサッカーを選んだということです。

当時は、サッカーマンガはヒットしない。という説がありその説を覆すために高橋さんが描いたのが“スーパープレー”でした。現実では考えられない小学生がオーバーヘッドキック、ゴールネットを突き破るシュート、ゴールポストの反動を使ったゴールキーパー等スーパープレーの連続は読者の心をつかみました。

その後1993年にJリーグが開幕し1998年には日本が初めてのW杯出場。2002年には日韓共催のW杯もあり、2011年にはなでしこジャパンのW杯優勝と、日本のサッカー界は著しく発展してきました。

その流れの中でサッカーを見る人たちの目も鍛えられ、キャプテン翼の中だけだと思われていたスーパープレーを、世界のスパースターたちが実際に起こしたプレーを簡単にインターネットを通して見ることができるようになりました。

その流れから、キャプテン翼のような現実離れしたサッカーマンガから、より現実に近いサッカーマンガが好まれるようになってきたのかもしれません。

今のサッカー少年たちもほぼ必ず読むであろうサッカーマンガ。今回ご紹介したサッカーマンガを読んだサッカー少年たちが将来、日本代表になり、活躍する姿が楽しみです

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